インプラントを受ける前に知っておきたい術前の流れ

天然の歯に近い仕上がりが期待できると言われるインプラント。

ですが「インプラントという言葉は聞いたことがあるけど、どんなものか良く知らない」「気になるけど、なかなか一歩踏み出せなくて……」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、インプラントの手術を行う前には一般的にどういった手順を踏んでいくのかなどを簡単に解説したいと思います。

>インプラントとは?

カウンセリング

インプラントでは患者さん1人1人に合わせて治療内容を決定していきます。ですから通常の虫歯治療以上に医師とのコミュニケーションが重要になるでしょう。
カウンセリングを受けた際に自身の希望をきっちりと伝えることで、歯の状態や費用について納得のいく治療計画を立ててもらいやすくなります。インプラント治療を考えている場合は、まず歯科医師と相談をしてみましょう。

インプラント治療にカウンセリングが必要な理由

インプラントには一般的な虫歯治療に比べ、以下のような特徴があります。
・治療期間が長い
・メンテナンスが必要になる
・オーダーメイドの治療
・それなりに費用がかかる

またインプラントは治療したら終わりというわけではありません。その後のメンテナンスも必要となります。

>インプラントのメンテナンスについてもっと詳しく

メンテナンス期間含め長く通うことになる可能性があることもふまえ、患者さんの希望を優先した案内ができるようにするためにもカウンセリングが必要です。

カウンセリングの時間は限られていることが多いため、歯科医師に伝えておきたいことを前もってまとめていくのがおすすめです。特に以下のような内容がまとまっていれば、スムーズにカウンセリングを進めることができるでしょう。
・気になっている症状、改善したい症状
・アレルギーや全身疾患について
・治療に関わる期間や頻度、引っ越し予定がないかなど

ンプラント術前の検査

インプラント手術は人それぞれの口内の状況によって治療の進め方が変わってきます。ですから患者さんに合った治療計画をたてる為に入念な検査を行う必要があるでしょう。歯科医師は検査結果を踏まえた上で治療の進め方を提案する形になります。

お願いする歯科医院によって検査の内容に違いはありますが、一般的には次のような内容です。
・口内チェック
・レントゲン撮影
・問診
・血圧検査
・血液検査

これらの結果をふまえて手術を検討することで、どんな形でインプラント治療ができるのか、費用はいくらかかるのかなどを具体的に提案できるようになります。
もし医師の提案に納得できない場合や不明点がある場合、遠慮なく相談することで後々のトラブルも防ぎやすくなります。

インプラント術前に行う一般的な検査内容

1)口内チェック
重要視されるのは歯肉の状態の確認です。歯肉の部分がインプラントを支えられる状態でないと、治療を行うことができない可能性があります。
もし無理にインプラントを埋め込んだとしても、使用しているうちに抜けてしまうかもしれません。歯肉に炎症がないか、歯周病でないかを確認することはインプラントを長く使用していくためにとても大切なのです。
他にも口内の粘膜、舌、虫歯、唾液量も治療を行うことができるか判断する大切な要素となります。

2)レントゲン撮影
歯の根を支える骨のことを歯槽骨と言います。口内の衛生状態が良くない時、歯石が付着し、歯槽骨に細菌が溜まってしまうのです。ですから歯槽骨の状態を確認するため、一般的にレントゲン撮影を行います。もしインプラント手術に対して歯槽骨の高さや幅が足りなくても、治療を行うことで手術を受けられる可能性があります。

3)問診
問診の際、医師に自分の健康状態を伝える必要があります。インプラント治療は外科手術の枠組みとなるのでリスクがともなうため、インプラント治療が行えない疾患があります。どのように治療を進めていくのか判断するための大切な材料になるので情報の共有をしておきましょう。

まずは持病があるか、ということを歯科医師に聞かれると思います。心臓病や糖尿病、骨粗しょう症など持病がある方の場合症状が安定しているかどうかの確認や、医科の専門医師との連携が必要になるからです。免疫力が低下していたり細菌感染を引き起こしたりする可能性が高まる症状がある場合、インプラント治療は難しくなってしまうかもしれません。まずは自分の状態を確認し、歯科医師と相談してみて下さい。

金属アレルギーの方はインプラント治療には向いていない場合があります。インプラントに使われる素材にチタンという金属が含まれているので、チタンアレルギーであ場合アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。ですから医師と相談のうえ、自分に合った治療方法を見つけた方が良いでしょう。

禁煙意思が全くない喫煙者はインプラント治療に向いていない可能性があります。タバコに含まれるニコチンには毛細血管を収縮する働きがあり、傷が治りにくくなる傾向があります。ですからヘビースモーカーのままの方では難しいかもしれません。インプラントでは免疫力も大切になってくるので、喫煙者は歯科医師に相談をしてみてください。

4)血圧検査
高血圧である場合、手術中に血圧が上昇して、頭痛や動機、発汗や嘔吐が起こってしまう場合があります。それを未然に防ぐためにも、血圧の検査を行っているのです。

5)血液検査
血液検査を行うことで全身疾患の確認や感染症にかかっていないかなどを調べることができます。患者さんの身体の状態を把握し、安心安全な手術を行うために必要な検査です。

術前の体調管理

インプラント治療は外科手術をともなうため、緊張してしまう人も少なくありません。安心して治療を受けてもらうためにも、術前の体調管理は大切だと言えるでしょう。抜歯や手術の際に麻酔を使用しますが、これによって体調が悪くなってしまうと治療を続けることができなくなってしまいます。例えば疲れがたまっていたり、睡眠不足である場合麻酔によって気分が悪くなり、嘔吐などが起きる場合があるので、術前の体調管理に気を配りましょう。

また風邪をひいてしまった場合、手術をうけることが困難になるかもしれません。熱がなく、多少の鼻水や咳が出るくらいであれば大丈夫かもしれませんが、手術をしている間は口を開け続けなければいけないため咳が出る方は辛いことになるでしょう。

インプラント手術を行う場合、医院側の安全面、衛生面の管理はもちろん大切ですが、患者さんの体調も治療に関わってきます。手術前に病気にならないよう、日々の規則正しい生活が重要になってくるのです。もしも手術前に体調不良になり、薬を飲んでいる場合は歯科医院に相談をするようにしてください。

手術前の食事

手術後には食べられなくなるから、手術前に好きな物を沢山食べたい。そう考えがちかもしれませんが、手術前であってもインプラント治療には控えた方がいい食べ物があります。手術に影響を与えないようにするために食事を管理し、安全な手術を行いましょう。

気を付けた方がいい食べ物のひとつはアルコール類です。ビールや日本酒、ワインなどアルコールを含む飲み物全般は摂取を控えたほうがいいかもしれません。もうひとつは激辛料理などの香辛料の強い食べ物。この二種類は血液の循環を促す作用があるので、手術前に食べると出血が止まりづらくなるリスクがあります。

安心安全な手術を行うためにも、事前に歯科医に注意点を確認し食べ物にも気を配りましょう。

記事監修 : 井上 祐利
(京都市左京区 いのうえまさとし歯科医院院長)
1965年京都生まれ。大阪大学歯学部を卒業し、京都大学口腔外科学教室にて研修後、関連病院にて研鑽。京都大学大学院医学研究科外科系専攻(再生医科学研究所臓器再建応用分野)にて医学博士取得。京都大学にて、再生治療分野における特許を取得。同研究所で歯牙の再生とインプラントについて指導、研究を行う。2001年11月、京都市左京区に「いのうえまさとし歯科医院」開院。

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